ニッポン縦断
7月31日(月)晴れ、気温27℃
BDFで人との出会いが楽しくなる
刈谷(愛知県)→ 瀬田(滋賀県)
昨日、長野から愛知県刈谷市まで移動し、今朝、この試みに対して協力をしていただいているトヨタ車体さんのガレージで車両の点検、整備を行う。BDFを車両に使う場合、特に改造は必要ないが、まれに燃料フィルターが詰まることがあるという話を聞いていたので、その点検と交換が主な目的だ。
▲ガレージでバイオディーゼル車両の点検を受ける。新品のフィルター
▲今まで使用したフィルター。通常の汚れ方だった
ニックの話では、取り外した燃料フィルターは通常の汚れと変わらず特にBDFだからといった汚れは目視では感じられないとのこと。余分な水分の混入も見られず、まずは一安心だ。日本縦断が終了したら、前半で使用したフィルター(事前に軽油で走行。北海道からBDFに切り替え)と後半のフィルター(全てBDFで走行)の2つのサンプルをもとに、より詳しく分析してみようと話す。この車の生まれ故郷でのサポートはほんとうに心強い限りだ。整備は約1時間半ほどで終わり、トヨタ車体の正面玄関で記念撮影をパチリ。今までの経過を報告して後半戦・西日本の旅へと出発。
▲トヨタ車体の前で記念写真(右から)坂森、伊藤、佐野広報室長、山田 |
今日の目的地は滋賀県。民間や自治体でバイオディーゼルの導入が進んでいる県だ。ここには日本でもっとも早くからBDFを販売しているガソリンスタンド・油籐商事がある。仕掛人の青山裕史さんは1998年にBDFと出会い、2002年に自社のスタンドで販売を開始。この分野では草分け的な存在として知られる。私自身、この日本縦断や世界一周の構想について最初に相談したのはこの青山さんだった。
ガソリンスタンドをまちの「資源ゴミ回収ステーション=エコロジーステーション」にするというコンセプトのもと、青山さんはこれまでアルミ缶や廃食油の回収とリサイクルに取り組んできた。BDFはその集大成ともいうべきもの。天ぷら油を回収し、燃料にかえ、製造過程でできるグリセリンからはせっけんを作り車の洗車等も行っている。
▲スタンドではB20が売られているが裏にあるプラントで、取り立てのB100を特別に入れていただく |
今年5月からは滋賀県内の松下電器の社員食堂から出る廃食油を精製し、運送トラックの燃料に使用するプロジェクトをサポートし、大きな話題を呼んでいる。またヤマト運輸も8台が常時ここで給油している。ユニークな発想と実績を訊きたいと講演やTV取材も多く、大忙しのようだった。(NHKの『ビジネス未来人』に出演予定、興味ある方は要チェック)
BDFを始めてからなんといっても人との出会いが楽しいという。使用済みのてんぷら油がここまでの出会いをもたらすことに大きな力を実感しているようだ。
▲油籐商事に中学生が社会見学にちょうど来ていたので車の前で記念写真
▲ヤマト運輸彦根河瀬宅配センターの配送車8台がBDFを給油している
そんな最近の様子をお聞きした後、スタンド裏のBDFプラントに車をまわし、B100を直接給油させてもらう。すぐ隣には彼の自家用のランクルが置いてある。これまでB100で2万キロ走っているが何の問題もないそうで、同じランクル同士、心強い限りだ。
青山さん、いつも色々な情報提供やお知り合いをご紹介していただきありがとうございます。
総走行距離:206km
給油: 84リットル(油籐商事)